Lanky Porterの地味だけど実はとても便利な機能

Lanky Porterの地味だけど実はとても便利な機能

Lanky Porterにはまだまだ隠された能力があり、今回も便利な機能についてお話をしたいと思います。派手な機能ではありませんが、とても便利な機能です。

ゆっくり配送

実はLanky Porterの配送画面には、少し微笑ましくなるような「ゆっくり配送」というほのぼのとしたボタンが存在します。

  配送先選択画面  

通常はロボットの設定によって、お店に適した移動速度に設定するのですが、このボタンを押すことで、配送するモノの種類によって、ワンタップで走行速度を調整できるのが大きなメリットです。要するに配送時にこぼしてしまうリスクのあるお品物に関しては、ゆっくり配送をタップすることで、Lanky Porterがゆっくりとお客様のもとへ運んでくれます。特にスープやドリンクなどの液体類を運ぶことに長けており、スープの量にもよりますが、段差などの不安定な通路や、飛び出しによる急なブレーキでもない限り、基本的にこぼすことはありません。

回り道

最近のLanky Porterは、何やら回り道をして配膳をするようになったようです。この回り道はれっきとした便利機能で、正式名称は「ルート再計算」と言います。Lanky Porterは事前に設定したマップ情報を基に決められた通路を最短で走行するようプログラミングされていますが、特に飲食店の場合、通路上にお客様がいらっしゃったり、荷物が置いてあったり、必ずしもマップを登録した時と同じ状況だとは限りません。そんな時に通路が通れるようになるまでじっと待っていると、お客様を待たせたり料理が冷めてしまったりといったトラブルになりかねません。そこでLanky Porterは目的地に向かうことのできる別ルートがないかを再計算して、別ルートが見つかれば回り道をして目的地へ向かってくれます。状況判断をしながら臨機応変に動ける点は、少しづつ技術が人間に近づいてきたような印象を受けます。

それでは、もしも別ルートも塞がっていたらどうなるのでしょうか?

もちろん再度、他のルートを探しますが、これからは人とロボットが共生していく時代ですので、そんな時はできるだけ道を開けてあげてください。 一本道や迂回路が無い場合は、無理やり前に進もうとはせず、道を譲ってもらえるようにお声がけしながら、その場に立ち止まります。一本道の場合、人が運ぶ場合も同じような状況になるかと思いますので、これは仕方ないことではあります。

順番待ち

徐々にですが、Lanky Porterは1店舗に複数台が活躍するケースが増えてまいりました。お店の方は配膳や下げ膳でLanky Porterを平等に使ってくれるのですが、1点問題があります。ロボット同士が連携するためには、同じマップ情報を共有する必要があり、複数台が同じ目的地へ向かうと場所の取り合いになってしまいます。ところが、Lanky Porterはとても協調性があるロボットなので、場所の取り合いどころか、お店のお客様を最優先に考えた順番待ちをしてくれます。

具体的に言うと、配送するためにスタンバイしているロボットが先にいれば、2台目以降のロボットは事前に設定した回避地点で待機するということです。料理を運ぶためにキッチンのところで順番待ちをしているLanky Porter。 また、こうした連携は、地点到着時だけではありません。通路でのすれ違いの際も同様で、優先度の高い作業をしているロボットを一番に通します。配送中のロボットと帰還中のロボットの2台がすれ違う場合、お料理を持っている配送中のロボットが優先されるということです。 複数台でもお互いにぶつかることも無く、場所を取り合うことも無く、一瞬一瞬で最適な動作を行ってくれるのは、とても役に立つのではないでしょうか。

ロボットにも愛着が沸く世界

Lanky Porterの地味に便利な機能はいかがでしたでしょうか。今回はLanky Porterの機能について、あたかも人であるかのような表現でお話しましたが、ロボットは徐々に店舗やそこに来店されるお客様にまで可愛がってもらえる存在になってきています。Lanky Porterだけでなく、様々なロボットが活動している今後のロボット社会の進化がとても楽しみです。