主な運搬ロボットメーカー一覧

主な運搬ロボットメーカー一覧

1.はじめに

深刻な人手不足や、物流倉庫や製造現場の省人化は待ったなしの状況を迎えています。その救世主として今、急速に導入が進んでいるのが「運搬ロボット」です。

しかし、いざ導入を検討しようと調べてみると、国内外の数多くのメーカーが競合しており、「一体どこが自社に合うのか分からない」と頭を悩ませる担当者の方も少なくありません。

本記事では、運搬ロボットの基本をおさらいしつつ、国内外の主要メーカーの特徴を徹底比較。後悔しないパートナー選びのポイントを解説します。

・運搬ロボットの種類

メーカーを比較する前に、まずはロボットの「タイプ」をおさらいしておきましょう。運搬ロボットは、走行方式によって大きく「AGV」と「AMR」の2種類に分かれます。メーカーによってどちらが得意かが異なるため、非常に重要なポイントです。

  • AMR(自律移動ロボット / Autonomous Mobile Robot)

高性能なセンサーやカメラを搭載し、リアルタイムで周囲のマップを作成しながら自律走行する最新型のロボットです。ガイドの設置が不要で、ルート上に障害物があっても自ら検知して安全に回避します。

  • AGV(無人搬送車 / Automated Guided Vehicle)

磁気テープや二次元コードなど、床面に設置された「軌道(ガイド)」に沿って走行する従来型のロボットです。あらかじめ決められたルートを正確に移動する能力に長けており、大規模な定時・定型搬送に適しています。

自社の現場が「決まったルートを愚直に運ぶ(AGV向き)」のか、「状況に応じて柔軟に動く(AMR向き)」のかをイメージしながら、メーカーの特徴を見ていきましょう。

2. メーカー一覧

1. OrionStar Robotics(オリオンスター)

2016年9月に設立された先端的なサービスロボットソリューション企業です。

サービスロボット(配膳・案内など)だけでなく、CarryBot(キャリーボット)シリーズなどのAMRも展開しています。

LiDAR・深度カメラ・V-SLAMを組み合わせた自律走行、アタッチメントによるカスタマイズ性などが強みです。

2.Toyota L&F(トヨタL&F)

トヨタグループの産業車両部門で、フォークリフト技術を基盤としたAGV・AMRを提供しています。

シンプル設計のエントリーモデルから、低床リフタ付きAGV、磁気テープ不要のAMRまで幅広く展開しています。

3.村田機械(Muratec)

自動倉庫や搬送システムなど、物流・工場向けの自動化設備に強みを持つ企業です。

PremexシリーズなどのAGV、AMRやフォークリフト型AGVなどを提供しています。

4.Geek+(ギークプラス)

2015年に設立された倉庫内搬送に特化したAMRを展開する中国企業です。

倉庫内のピッキングや搬送を自動化する物流自律移動ロボット(AMR)で世界シェア首位を誇ります。

5.MiR (Mobile Industrial Robots)

2013年設立にデンマークで設立された、AMRパイオニア企業です。

用途や可搬重量に応じた複数のAMRを展開しており、製造業・物流でグローバルに普及しています。

3. 運搬ロボット選びのチェックポイント

各メーカーにそれぞれの良さはありますが、選定を誤ると「導入したけれど現場で使われなくなった」という失敗に繋がりかねません。検討時は以下の4点を必ずチェックしましょう。

1.「ハード単体」の性能か「システム連携」のしやすさか

ロボット単体の価格やスピードだけに目を奪われてはいけません。自社が使っているWMS(倉庫管理システム)や基幹システムと連携し、スムーズに指示を出せるかどうかが、運用後の効率を大きく左右します。

2.導入実績の「業界」が自社とマッチしているか

重い金型をミリ単位の精度で運びたい「製造現場」と、多品種小ロットの軽作業をスピード重視で回したい「EC倉庫」では、求めるノウハウが全く異なります。

メーカーを選ぶ際は、「自社と同業種の導入事例があるか」を必ず確認しましょう。

3.万が一のトラブル時における「サポート体制」

ロボットは機械である以上、トラブルが発生する可能性は0ではありません。

「トラブル時にどのようなサポートがあるか?」「国内に代替機の拠点があるか?」

など、現場の作業を完全にストップさせない体制が整っているか確認しましょう。

4.スモールスタートが可能か

最初から数千万円の投資をするのはリスクが伴います。

まずは1~2台からスタートして、自社にフィットした運用が可能か確かめてみるのもおすすめです。

まとめ

運搬ロボットの導入は、単なる「機械の購入」ではなく、現場のオペレーションを共に変革していく「長期的なビジネスパートナー選び」です。

まずは自社の現場における最大の課題(何を、どこへ、どのくらいの頻度で運びたいか)を明確にすること。

その上で、実績豊富な大手から、フットワークの軽い新興メーカーまで幅広く視野に入れ、資料請求や実機デモから進めてみると良いでしょう。